「台所育児」シリーズとモンテッソーリ教育の共通点

台所育児

モンテッソーリ教育の先生に聞きました!料理を通して子どもの生きていく力を育てよう。

子どもたちが料理を通して学ぶ沢山のもの

「自分は役に立った」と感じる経験が子どもの自信に繋がる

ー子どもが上手にできた時の声のかけ方のポイントはありますか?

先生:「誰かの役に立ちたい」という気持ちは人間の普遍的な感情だと思います。子どもであっても家族や友達、周りの人の役に立ちたいと考えます。
例えば、包丁で食材が切れた時は「ここ、しっかり切れているね」など、その行動を受け止め認める言葉を伝えることが良いと思います。
他にも「共感」の言葉もとても良いですね。子どもが喜んでいたら一緒に喜んであげましょう。また「助かったよ」などの感謝を伝えることで、自分も家族の一員であると感じます。

美味しい料理が「できた!」瞬間は子どもも大人も嬉しい

ー大人も子どもも誰かの役に立つのは嬉しいものですね。

先生:反対に、あまり誇張し過ぎた表現は極力避けた方が良いでしょう。
なんでもかんでも「すごいね!」と褒めすぎると、褒められたくてその行動をとるようになり、目的からずれてきてしまいます。「お母さんに褒められたくて料理をする」のではなく「生きるために必要だから料理をする」のが本来の形ですから。

料理を通して学ぶ世界の「平和・多様性」

先生:教室の子どもたちは、みんな食に関する活動が大好きです。
やはり食べることに興味があり、調理を通して食材が変化していく様子が楽しいのでしょう。そして料理は五感(味覚、視覚、聴覚、嗅覚、触覚)を使いますよね。沢山の刺激を得られる料理は、子どもの成長に非常に良いものです。

ー料理は身近なものなので、積極的に子どもに経験してほしいですね

先生:料理は文化的な側面も強く、様々な国や文化を知る良い機会になります。
和食であれば日本文化や四季について知る機会になりますし、他国の料理であれば日本とは違う文化に触れるよい機会です。

料理を通せば五感を使って世界を学べる

先生:モンテッソーリ教育では「平和教育・人類の多様性」の理念が根底にあります。
教室では、外国の文化やその国についての教育も行います。単に国旗を覚えるだけでなく、食文化や民族衣装などを含めた地球の多様性について学びます。

子どもの成長に合わせて更に学びを深める「料理」

先生:モンテッソーリ教育の活動では、子どもの成長に従って活動の工程が増えていきます。
その中でも料理は、子どもの成長レベルに合わせて活動の工程を増やすことができます。レベルが少し高くなると、料理が完成するまでの工程を自分で考えなくてはなりません。
そうすることで「これを作るためには、この順番でまずこれをやる」など「先を見る力」が自然と養われていきます。
最初の活動は食材を切るだけだったのが、道具の準備から始まり、使い終わった道具の洗い物や片付けと工程が増えていきます。
自分の力で考え、順序立てて行動する。日常生活でも必須となる力を養っていきます。

日常生活の練習で培われる先を見通す力

ー確かに、ただ調理するだけが料理ではありませんものね

先生:本当に、料理は色々な学習の機会にあふれています。
計量カップで測れば、数字の学習につながります。
教科書で「何ccのカップと何ccのカップを足して…」と書かれているのを読むだけより、実体験の方がつかみやすい。「ピザなどを人数分に切り分ける」などは分数の知識を活かせます。

>次ページ「子どもが料理に取り組むために大人ができること」

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